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20140129大飯原発 「地震規模」データ提出へ

2014-01-29 2 Dailymotion

大飯原発 「地震規模」データ提出へ
福井県の大飯原子力発電所を巡って、関西電力は運転再開の前提となる国の安全審査で重視されている「地震の規模」について、東日本大震災前よりも大きく見直し、根拠となるデータを29日、原子力規制委員会に提出します。
規制委員会から仮に「妥当」と評価されると、審査中の原発では初めてとなり、大飯原発の審査はほかの原発より早く終わる可能性があります。
原発の運転再開の前提となる原子力規制委員会の安全審査を巡っては、去年7月以降これまで9つの原発が申請していますが、重視されている項目の1つで「基準地震動」と呼ばれる「地震の規模」について、「妥当」と評価された原発はありません。
こうしたなか、関西電力は、大飯原発3号機・4号機の「基準地震動」について、揺れの強さを示す加速度を東日本大震災前の700ガルから759ガルに見直すため、根拠となる地下や断層のデータを29日、規制委員会の審査会合に提出します。
大飯原発では、敷地の北西側の海域と東側の陸域にある3つの活断層が審査のポイントとなっていて、規制委員会は3つが同時に動くことを考慮して「基準地震動」を見直すよう求めていました。
規制委員会が「基準地震動」を仮に「妥当」と評価すると、審査中の原発では初めてとなり、大飯原発の審査は建物や設備の耐震性を確認する終盤の作業に入るため、ほかの原発より早く終わる可能性があります。
また、九州電力も佐賀県の玄海原発3号機・4号機の「基準地震動」について、29日の会合で根拠となるデータを提出し、震災前の値を見直すかどうか、今後検討する見通しです。
電力各社は経営上の理由などから早期の運転再開を目指していますが、各社の今後の対応しだいでは審査に時間がかかるほか、審査後には地元自治体の同意も不可欠で、2つの原発の再開時期は依然として不透明です。
安全審査とは
国内の原子力発電所は、3年前の東京電力福島第一原発の事故をきっかけに、48基すべてが運転を停止しています。
原発の運転を再開させるためには原子力規制委員会の安全審査を受けることが必要で、去年7月以降、これまでに国内の9つの原発が審査の申請をしています。
去年7月に申請したのが、北海道電力の泊原発、福井県の関西電力大飯原発と高浜原発、愛媛県の四国電力伊方原発、佐賀県の九州電力玄海原発、それに鹿児島県の九州電力川内原発の6つです。
審査が最も進んでいるこの6原発は、当初、審査の期間が「少なくとも半年かかる」とされ、今月16日で「半年」になりましたが、終了する見通しは立っていません。
また、6原発は施設の安全対策や地震・津波、火山といった自然災害への想定などについて資料の提出やデータの拡充を行うなどして審査が進められていますが、準備不足を指摘された泊原発1号機2号機を除いて、これまで審査の進み具合に大きな差はついていませんでした。
このほか、去年9月に申請した新潟県の東京電力柏崎刈羽原発、先月申請した宮城県の東北電力女川原発、それに島根県の中国電力島根原発も安全審査を受けています。
基準地震動とは
「基準地震動」とは、原発やその周辺で想定される最大の地震の揺れのことで、原発の耐震性の基準にもなっていることから、安全審査では地震が与える大きな揺れから施設や設備を守れるかを評価する重要な指標となります。
さらに去年7月に新たに施行された規制基準では、地震への想定がより厳しく求められるようになったことから、周辺の活断層や地盤、それに地下の構造などについてより詳しい評価と裏付けが必要となっています。
審査と今後の課題
一方で、審査では「基準地震動」以外にも津波に対する評価などの項目が残されていて、電力各社の今後の対応次第では、審査に時間がかかる可能性があります。
また、審査が終わったあとには地元自治体の同意を得ることも不可欠です。
こうしたことから、大飯原発や玄海原発が運転を再開する時期は依然として不透明です