大間原発差し止め函館市が提訴
大間町で建設中の大間原子力発電所について、津軽海峡を挟んで半径30キロの範囲内にある北海道函館市が「事故になれば大きな被害を受ける」と主張し国と事業者に、原発の建設中止を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
自治体が原発の建設差し止めの裁判を起こしたのは全国で初めてです。
大間町に建設中の大間原発は、東日本大震災で建設工事が一時中断しましたが、おととし10月に再開され、事業者の電源開発はことし秋にも安全審査を申請する準備を進めています。
これに対し、津軽海峡を挟んで最短で23キロの距離にある北海道函館市が、国と電源開発に対し、原発の建設中止を求める訴えを3日、東京地方裁判所に起こしました。
訴えの中で函館市は、「安全性が確保されたとは言えず、事故になれば自治体の機能が失われるほどの大きな被害を受ける」などと主張しています。
合わせて「函館市は事故の際に避難などの対象となる半径30キロ圏内に含まれており、函館市が同意するまでは建設をやめるべきだ」と求めています。
自治体が原告となって原発の建設差し止めを求める裁判を起こしたのは全国で初めてです。
国の原子力規制庁は、「訴えがあることは承知しているが、内容を把握していないためコメントは差し控えたい」としています。
また、電源開発は、「訴えを起こされたのは誠に残念で、裁判を通じて考えを主張していきたい。今後とも、安全な発電所作りに取り組み、函館市にも情報提供や説明をしながら計画を推進していきたい」というコメントを出しました。
大間町の金澤満春町長は、「ほかの自治体が決めたことで、コメントできない。大間町は今まで通り推進の立場で取り組んでいきたい」というコメントを出しました。
04月03日 19時25分