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米経済の二極分化、IBMのサバイバル戦略(1990年)~島田雄貴ITジャーナル

2017-05-23 12 Dailymotion

IT業界・通信業界の歴史を振り返る~島田雄貴ITジャーナル

<1990年の報告>

「米経済の二極分化、IBMのサバイバル戦略」

企業が存続するためには、時代変化に応じた変革が求められる。

だが、その基本はあくまで市場環境のチェックと、これにもとついた事業構造の変革と、さらに変革を可能にする技術開発力であり、M&Aは企業変身への手段の一つと位置づけられるべきである。

人員合理化計画が進むコンピュータ業界で、IBMをサバイバル戦略に駆り立てた一因は、大型汎用機中心の時代は去ったという市場構造変化を的確にとらえられなかったためであると指摘されている。

逆に、レイオフに追い込まれたビッグスリーのデトロイトが意外に楽観視されているのは、自動車工場のほか、設計コンサルティング、サービスなど、業種の多角化が進んだからである。

この1990年代は、アメリカ経済にとって「双子の赤字」という構造問題が引き続き重圧となるほか、原油価格、為替相場、累積債務、ソ連情勢など、企業の一般環境要因はいっそう不確実性を増し、新しい競争相手が登場するなど、厳しい局面が予想される。

こうしたなかで注目されるのは、1990年代を見据えたアメリカで、従来になくオーソドックスな主張が見られることである。

その一つは「製造業の重要性の再認識」であり、「真のグローバル化への対応」であり、「教育の整備」であり、いずれも原点に立ち返った発想である。

製品、サービスの「質」の見直しも指摘されている。

社会主義圏経済が破綻をきたしているとき、足元を見直す意義は大きい。

今後、アメリカ経営者の行動は、こうした正統的マネジメントを重視する立場と、従来の短期利益重視、M&Aを通じた企業変身をはかる行き方と、二極分化することが予想される。

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