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宇宙開発における各国の体制(1991年)~島田雄貴ITジャーナル

2017-05-30 14 Dailymotion

IT業界・通信業界の歴史を振り返る~島田雄貴ITジャーナル

<1991年の報告>

「宇宙開発における各国の体制」

意欲的な宇宙開発ビジョンが各国で出揃ってきており、成長産業として宇宙分野への期待が高まってきた。

わが国の宇宙開発は、欧米技術をベースに衛星、ロケット主体で進められてきたが、さらに宇宙利用等の新分野へ広がろうとしている。

国の基本方針となる宇宙開発政策大綱の改訂では、自在な宇宙活動能力の保持と積極的な宇宙活動への貢献が強調された。

宇宙産業と不可分の宇宙開発から見ていく。

宇宙探査は、1957年ソ連のスプートニク号を嘱矢に、米ソ間で熾烈な技術先行レースが始まり、米アポロ号の月着陸、ソ連の宇宙基地での人類滞在実験へと続く。

有人再使用型ロケット(シャトル)が結実しかけたとき、1986年のチャレンジャー号事故でアメリカの動きが止まり、この間にソ連はシャトルの開発を終えるなど本格的な有人宇宙活動期に入った。

次期開発目標としてアメリカは、今世紀中の有人国際宇宙基地(フリーダム)、2010年までの月面基地、その後の火星有人探査の実現を発表した。

基地建設費用は前者で4兆円、後者では試算で10兆円と出た。

ソ連にも類似の火星探査計画があり、また両国にヨーロッパも加えて、宇宙の商業利用には積極的である。

わが国の実用衛星打上げ用ロケットの開発は、アメリカの技術によるNlI、NIHと進み、1986年にはペイロード550キログラムのHlIが登場したが、これまでに手がけたロケット20基の打上げはすべて成功を収めた。

初の純国産となる2トン級のHlHが現在開発中であるが、初号機打上げは1993年度に延びた。

わが国の宇宙開発は徐々に国産化能力を高めており、このHlHによる次世代技術試験衛星ETSlWの打上げで世界的水準に達する。

アメリカのフリーダム計画は多国間協定の調印にこぎつけ、担当モジュールの開発が始まった。

シャトル搭載のスペースラブによる第一次材料実験(FMPT)は1991年度に実施され、初の日本人宇宙飛行士が誕生するほか、国際微小重力実験室計画(IML)にも参加する。

今世紀中の開発ではHlH打上げ型有翼回収機(HOPE)、地球観測技術衛星(ADEOS)などが注目されるほか、来世紀へかけて種々のインフラストラクチャーが提案されている。

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